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第1回 東京化粧男子宣言!(その2) [現代の性(性別越境・性別移行)]

第1回 東京化粧男子宣言!(その2)

(続く)
ショーが終わった時、審査員の間で「これは、審査が難しい」という声。

女の子らしさやモデルの変身度を評価するか?、
コンセプトの企画力を評価するか?

休憩時間に審査員室で、審査基準について擦り合わせ。

第1回ということも考えて、突出した感性よりも、誰もが納得するようなバランスの良さ、具体的に言えば「東京の街に、こんな女装男子がいたらいいなぁ」というような感覚を大切にして、審査しようという方針になる。

ステージ再開。
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↑ 司会の にしだ奈波さんは、審査員のいがらし ゆみこ先生の息子さん。
奈波さんが、ちょっとトチったり噛んだりする度に、私の隣席のいがらし先生がハラハラしてるのがわかってほほえましい。

実は、今回のイベント、関係者に親子が2組(見掛け上、母-「娘」、父-「娘」)。
つくづく時代は変わったと言うか、うらやましいと言うか・・・。

第2部は、トーク・ライブ。
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私はトークライブの間、会話内容もだが、モデルさんの姿勢&しぐさに注目していた。
最初は気をつけて坐っていても、30分ほどのトークライブの間に、どうしても脚の開きなどに「男」が出てくるはず。

ところが、1人だけ、ほとんど「女のコ」ポーズが崩れなかったモデルがいた。
これには、谷本さんも私も大いに感心。
これが、審査の決めてになったと言ってもいい。

控え室に戻って「審査員特別賞」の審査。

4人の審査員が順位を付けて2名を選ぶ。
私が集計役をしたのだが、全員ほぼ同意見で、まったく揉めることもなく、ほとんど即決。

審査員が会場に戻り、いよいよ「第1回 東京化粧男子宣言!」の「グランプリ」の発表。

審査員(各10票)と入場者(各1票)の投票合計で選ばれる「グランプリ」は、
エントリーNo.7 るるさん(モデル)&ひなどりさん(スタイリスト)のペアに決定。
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いがらしさんから賞状、谷本さんからトロフィーが授与される。
モデルさんもスタイリストさんもほんとうにうれしそうだ。
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会場投票でもダントツだったようだが、審査員の評価でも、1位とする者3人、2位とする者1人、でほとんど満票に近かった。

モデルショーの段階ですでに高評価だったのに加えて、トーク・ライブの間、女のコポーズが崩れなかった「成り切り度」が高く評価された。
さらに、ビフォアー(化粧前)の男の子写真とのギャップの大きさ(変身度の高さ)も、このコンテストの「グランプリ」にふさわしいと思う。

続いて、審査員特別賞の発表。

審査員特別賞は、
エントリーNo.2 みなみさん(モデル)&ペキ子(スタイリスト)のペア。

審査員特別賞の審査では、1位1人、2位3人で、るるさんには及ばなかったものの、文句なしの次点評価。
ももさんが会場投票で「グランプリ」になったので、すんなり繰り上がって「審査員特別賞」に決定。

私が賞状を読み、月野姫さんがトロフィーを授与。
「東京の街に、こんな女装男子がいたらいいなぁ」という審査基準に、そのままのコンセプトとバランスの良さを高く評価された。

審査員としては、企画(コンセプト)を重点に評価するような賞を出せたら良かったと思う。

私個人としては、花魁に挑戦したエントリーNo.3 モルガンさん(モデル)&麻也(スタイリスト)のペアに「企画努力賞」をあげたかった。

21時、閉会。

閉会後、ホールで、モデル&スタイリストと観衆が交流。
こういう場の設定もGood。
私も、持って行った『女装と日本人』5冊が、全部売れてうれしい。

審査員控室で、審査員同士で記念撮影。
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↑ 谷本龍哉さんと。
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↑ 月野姫さんと。
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↑ いがらしゆみこさんと。
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↑ いがらしゆみこ先生に色紙を描いていただく(わ~ぃ!)

22時、二次会会場に移動して、懇親会。
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↑ 「グランプリ」受賞のるるさん(左から2人目)を囲んで。

主催の井上魅夜さんから「有料入場者は113名、関係者を入れると133名」という報告。
「大入り袋」をいただく。

審査員という立場を超えて、見ていてほんとうに楽しいイベントだった。
そして、性別越境は「明るく、楽しく、社会性をもって」という私の長年の主張を、若い人たちがリニューアルしながら、現実化してくれたことが、とてもうれしかった。

入場者も当座の目標だった100名を超え、大手メディア(TBSテレビ)の取材も入り、第1回としては、大成功だったと思う。
これをスタート台に、「化粧男子」のコンテスト・イベントとしてさらに発展していって欲しい。
「化粧道」の先輩として、今後の展開に大いに期待したい。

主催の井上魅夜さん、スタッフの皆さん、参加者の皆さん、ありがとうございました。
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23時20分、二次会から辞去。

帰路は、東京メトロ千代田線-(表参道)→半蔵門線-(渋谷)→東急東横線。
0時半、仕事部屋に戻る。

着物の世話をして、髪をほどいて、お風呂に入る。
就寝、2時(仕事部屋)


2009年11月26日 第1回 東京化粧男子宣言!(その1) [現代の性(性別越境・性別移行)]

2009年11月26日 第1回 東京化粧男子宣言!(その1)

11月26日(木)
多摩大学の講義を終え、大急ぎで帰り仕度をして、16時30分、大学を出る。
バス→小田急→東京メトロ千代田線を乗り継ぎ、東京を西から北東に大横断。

17時50分、町屋駅(荒川区)に到着。
18時過ぎ、審査員控室の楽屋に入る。
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間に合った~ぁ。

審査員の方々、いがらし ゆみこさん(漫画家)、谷本龍哉さん(ミス・ユニバース・ジャパン企画運営、元衆議院議員)、月野 姫さん(ニューハーフ・セクシータレント)にご挨拶。

化粧を直して、主催の井上魅夜さんから説明を受ける。
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↑ 審査員控室で。
左2人目から、いがらし ゆみこさん、月野 姫さん、谷本龍哉さん、井上魅夜さん。
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19時、「第1回東京化粧男子宣言!」開幕。
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↑ 左から、井上魅夜さん(主催)、月野姫さん(審査員)、にしだ奈波さん(司会)。
もちろん?全員、男のコです。

いよいよモデル・ショーの開幕。
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↑ エントリーNo.1「ゴスロリ系」(モデル:じゅん、スタイリスト:三条伊織)
(コメント)こういうアピールしなければならないショーの場合、黒は難しい、と言うか、はっきり言って損。
それともともと細い男のコが3kgもダイエットしたため、顔の線がよけいに鋭角になってしまったのも逆効果。

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↑ エントリーNo.2「カジュアル系」(モデル:みなみ、スタイリスト:ペキ子)
(コメント)カジュアルだけどハイセンスなファッシュンでバランスが良い。
メガネを取ったら、とてもかわいかった。
「化粧男子」というネーミングにいちばん即していたように思う。
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↑ エントリーNo.3「花魁道中」(モデル:モルガン、スタイリスト:麻也)
(コメント)専門的にはともかく、難しいテーマにチャレンジして、それなりにまとめたスタイリストさんの努力は、すばらしい。
長身・面長なモデルの個性にも合っていたと思う。
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↑ エントリーNo.4「ギムナジウム探偵」(モデル:maki、スタイリスト:蒼来)
(コメント)女装でボーイッシュな少女を表現する難しいテーマにチャレンジして、形にしたのはそれなりに評価できる。
しかし、モデルの個性(小柄)からして、もっと女性的なスタイルに挑戦したら、華が開いたように思う。
「もったいない」というのが率直な実感。
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↑ エントリーNo.5「セクシー美女」(モデル:Tomco、スタイリスト:グラニータ)
(コメント)ダンス・パフォーマンスを取り入れた構成・演出は出色。
ただ、セクシー系は、簡単なようで表現としての難度は高く、けっこう年期がいる。
モデルがまだそれをこなし切れていないのが惜しかった。
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↑ エントリーNo.6「男装の麗人」(モデル:milk-roll、スタイリスト:めい)
(コメント)女装で男装の麗人を表現するのは、いわば「2回捻り」で高難度。
チャレンジ精神は評価するが、難度的に無理があった。
結果、No7の「女のコらしさ」の引き立て役になってしまった。
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↑ エントリーNo.7「小悪魔なお嬢さん」(モデル:るる、スタイリスト:ひなどり)
(コメント)登場したとき、審査員の間に「ほ~っ」という声が漏れた。
張りのあるミニスカートで、男のコの腰の寂しさをカバーするなど、スタイリングも適切。
スカートとストッキングを同系のイメージでまとめたファッション感覚も鋭い。
しゃぼん玉を吹くパフォーマンスも可愛らしかった。
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↑ エントリーNo.8「ビジュアル系花嫁」(モデル:暮浩平、スタイリスト:凛)
(コメント)ウェディングドレスは、豪華だけど意外と変化がつけにくい。
その点、ファッション的に、もう一工夫(捻り)が欲しかった。
結果、コンセプトの表現がやや曖昧になり、観衆に十分に伝わってこなかった。
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さて、皆さんが「グランプリ」を選ぶとしたら、どの「化粧男子」に投票しますか?

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