SSブログ

2005年04月26日 「女装サロン bambina cafe」訪問 [現代の性(性別越境・性別移行)]

2005年04月26日 「女装サロン bambina cafe」訪問
4月26日(火) 晴れ 午後雷雨

8時半に目覚しをかけたのに起きられず、9時半にやっと起床。
まだ慢性睡眠不足、解消できず。

急いで朝ご飯を食べて仕事場に移動。
11時、身支度。
卍崩しの伊勢崎銘仙、縞の帯、帯揚は緑、帯締は若草。

12時半、家の近くからタクシーに乗り、渋谷の並木橋の手前で下車。
道端で地図を広げて目的地までの道を確認していたら、学生風の男の子が「どうしました?道に迷いましたか?」と声を掛けてくれた。「大丈夫です。ありがとう」と応じたが、まだまだ日本の若者、捨てたものではない。

13時、今日の訪問先「女装サロン bambina cafe」の入っているビルの前に到着。渋谷ということになっているが、周囲の環境は、もともと閑静な住宅街にアパレル系の会社や各種学校が入り込んでいて、代官山の延長という感じ。
「bambina cafe」は、この3月にオープンしたばかりの新しい女装サロン。4月の初めに、サロン担当の月影麻優(まや)さんから相互リンク希望のメールをいただいた。

私のサイト(女装家 三橋順子Homepage)は、商業サイトとのリンクは、私が利用したお店に限定してるので、本来ならお断りするところなのだが、サロンのコンセプトに新しい魅力を感じたのと、場所が私の仕事場から割と近そうだったので、例外的に相互リンクをすることになった。
そんなやりとりをメールでしているうちに、思い付いて「もし、雑誌の取材をご希望なら、ご紹介できますが」と申し入れたら「ぜひお願いします」というお返事をいただいた。

早速、私が連載エッセーを持っている『ニューハーフ倶楽部』の編集部に連絡すると、トントン拍子に取材話がまとまり、私も紹介した責任上の「取材立ち会い」と「bambina cafe」さんへの表敬を兼ねて、今日の訪問になった。

月影さんに迎えられ、サロンに入ると、すでに北斗出版の編集者とカメラマンが到着していて、まずはご挨拶。
ちなみに、『ニューハーフ倶楽部』は、最近、創刊10周年をむかえたニューハーフ&女装専門誌(季刊)で、発行元はエロ雑誌の最大手三和出版になっているが、実際の編集は北斗出版という会社が請け負っている。

月影さんは、私より二世代くらい下の女装の方で、「エリザベス会館」(東京浅草橋にある老舗の女装クラブ)や新宿の女装スナックとはまったく縁がなく、独自の活動をしてこられた方らしい。もの静かな雰囲気ではあるが、なかなかしっかりした方とお見受けした。

月影さんといろいろお話していたら、黒い服を着た長い髪の小柄な女性がお茶をもって入っきた。それが「bambina cafe」のスタッフで、別に「paradiso(パラディソ)」というSMサークル?をやっている日向可憐(ひなた かれん)さんだった。

月影さんが取材スタッフを案内している間、SMについていろいろお話。可憐さん、見かけは「お嬢さま」「お姫さま」という感じで「Sの女王様」というイメージには程遠いが「人は見掛けで判断してはいけない」という典型。SMプレイについて、豊富な実践に基づいたしっかりした考えを持っている方で、実に興味深かった。いずれじっくりお話をうかがいたいと思った。

月影さんに案内していただいて見学。
マンションの一室なので、けっして広いスペースではないが、明るい照明の機能的なメイクルーム、使い勝手がよさそうな撮影ルーム、そして居心地が良さそうなサロンから構成されている。豪華ではないが、手作り感覚のセンスの良さが伝わってくる。
ただ、サロンの窓際に据えられた太い材木を組んだ大きな門型の謎の構造物が気になる。

備品も見せていただく。お衣装は、収納スペースの関係でまだ豊富とは言えないが、今、今、若い女装者の間で人気のメイドファッション、ゴスロリ系、そしてボンデージ系と、しっかりツボを押さえているように思った。

ついでに、可憐さんが使っている縄を見せていただく。
縄の処理を見れば、女王様のレベルはだいたい推測できる(← なぜ私はそんな推測ができるのだろう?)。
人肌の脂をたっぷり吸い込んで薄い黒茶色に染まったケバがほとんど感じられない滑らかなロープは、この縄の主が「本物」であることを語っていた。

さて、サロンの謎の構造物、建物の壁や天井とはまったく独立した構造で、10数cm角の硬い木材をがっちり組んであり、約100kgほどの重量物を吊り下げられるくらいの強度は十分にありそう。
訳知りの方にはすでにお解りの通り、この構造物は人を吊り下げるためのもの。つまり、このサロンは、テーブルとかを片づければ、たちまち可憐女王様の吊責めプレイルームに変身するらしい。なかなか楽しい?システムだなぁ、と思う。

ところで、私がこの「bambina cafe」に、今までの女装クラブに無い、新しいものを感じたのは、女装サロン「bambina cafe」、出張型女装フォトサロン「bambina」、SMプレイの「paradiso」という3つの営業形態をリンクしたスタイルにだった。それは、インターネットでいう「相互リンク」をイメージさせる。

こうした形は、インターネット、Eメール、デジタルカメラという新しい「道具」を当たり前のように使いこなす月影さんの世代には、取りたてて新規な発想ではないのかもしれない。しかし、今までの女装クラブの経営を担ってきた旧世代の人たち(私を含む)には、それは当たり前のことでない。理屈ではインターネットの利便性を解っていっても、根本的な部分では発想が転換できないのだ。

例えば、女装者の嗜好にSMが根強くあることはよくわかっていても、SMサロンとしっかり提携関係をもつような発想はなかなか生まれてこない。

考えてみれば、「エリザベス会館」にしろ新宿の女装スナックにしろ、25年以上の歴史をもっている。節目節目でマイナーチェンジはしてきても、基本的には4半世紀前のシステムなのだ。もうそろそろ根本的に新しいシステムが出てきてもいい頃だと思う。

「bambina cafe」は、まだ船出したばかりで、正直、海のものとも山のものとも知れないところはある。ただ、私はそこに新しい可能性のようなものを確かに感じた。
月影さんと日向さんのこれからの健闘を祈りたい。

取材が終わり、私だけ残って、月影さんと日向さんとお話していたら、外が異様な気配、雷鳴がとどろき、いきなりドシャ降りの雨。

小止みになるまで待って、可憐さんのかわいい傘を借りてタクシーで、16時半仕事場に戻る。
やはり本調子でなく、着物を脱いで化粧を落としたところで、またダウン。
2時間ほど眠り、やっと回復。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。