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2007年04月05日 地方の女装者の実情 [現代の性(性別越境・性別移行)]

2007年04月05日 地方の女装者の実情

4月5日(木) 晴れ 東京 14.6度 湿度 21%(15時)

11時、起床。
朝ご飯は、ミニクリームパン2個とコーヒー。
シャワーを浴びて、髪をお団子にまとめる。

13時半、仕事場に移動。
途中の住宅街で、昨日の雷雨にも耐えた残り桜が青空を背景にして美しい。

15時、身支度。
灰茶色の地に青色の平行四辺形模様が並ぶ伊勢崎銘仙。
黒・錆朱・樺色の帯を角出しに結ぶ。
長襦袢は、濃い芥子色の半襟を付けた濃緋色。
帯揚は緑色、帯締は深草色(福福堂)。
黒のカシミアのショール。
赤地に麻の葉模様の鼻緒の下駄。

16時過ぎ、家を出て、商店街で買い物。
ハイライト(目の下の隈隠し)用のアイカラーを探す。
カネボウ化粧品が3割引きだったので、T'ESTIMOのカラーアイズNシリーズのPK-42を購入(1050円→735円)。

駅前の本屋(恭文堂)で時間つぶし。
松井今朝子『吉原手引草』(幻冬舎 2007年3月)を購入。
いつか書きたい「変わり者の花魁と世慣れた振袖新造の物語」の参考にしようと思う。

17時、学芸大学駅で北関東の某県で、ランジェリーショップ&女装クラブを経営しているIさんと待ち合わせ。
駅前の喫茶店へ。
お昼抜きだったので、ケーキに手が出かかったが、なんとか堪える。

ランジェリーショップ&女装クラブ、残念ながら、4月で閉店とのこと。
地方の女装者の実情をいろいろ取材。

一口に言うと、状況はかなりきつい。
インターネットの普及で情報の流通量は格段に改善されたものの、地域コミュニティが成立するまでには至らず、女装者が孤立的に存在する状況に変わりがない。

孤立している、コミュニティがないということは、女装者が「女」としての社会性を養う場(機会)がないということ。
中でもいちばんの問題は、女装するという行為と性的興奮が直結している状態から抜け出せていない人が多いという現実。

私が講演などでよく言うことだが、女装と性的興奮が連動している状態では「女」としての社会性は獲得できない。
平たく言えば、そんな人、危なくて社会に出せないし、下手をしたら警察沙汰だからだ。

女装コミュニティでは、『エリザベス会館』のような閉鎖的な女装クラブであれ、新宿の女装スナックのような開放的な酒場であれ、まず、女装と性的興奮という回路をいったん断ち切ること(欲情の自己コントロール)を求められる。

実は、化粧がどうの、ファッションセンスがこうのという以前に、欲情の自己コントロールの修得こそが「女」修行の第一歩なのだ。
それができないと、いつまでも女装男のままで「女」にはなれない。
したがって、女装コミュニティの成員としてはやっていけず、淘汰されてしまう。

ところが、孤立している女装者は、その回路を断ち切る機会がなく、いつまでも女装と性的興奮が連動した女装男のままであることが多い。

東京や大阪の大都市部でも、以前はそういう孤立した女装者は多かった。
私もかってはその一人だった。
だから、地方の女装者の置かれている状況はよくわかる。

ただ、昔(15年前)と現代との大きな違いがひとつある。
それは、女装者の間での「薬」の蔓延だ。
昔は、よほど特殊な人でないかぎり、アマチュアの女装者が「薬」に手を出すことはなかった。
出したくても入手経路がきわめて限られていたからだ。
またコミュニティの先輩たちも、「薬」にまつわる怖い話(〇〇ちゃんは薬物肝炎で死にかかった)や悲惨な事例(〇〇さんはおっぱいが膨らんだのを奥さんにバレて離婚)を誇張して話してくれて、ブレーキ役になった。
いちばん効果的なのは「一生、「薬」と縁が切れない、あたしみたいな身体になったら、おしまいよ」という自嘲話。

ところが、インターネットが普及した現代では、個人輸入で誰でもいくらでも「薬」が手に入る。
孤立した女装者が、限られた情報・知識で、さしたる社会的制約(ブレーキ)もなく「薬」を好き勝手に使ったらどうなるか・・・・。
たとえば、「薬」は量を飲めば飲むほど女になれる(「魔法の薬」信仰)、なんて思ってる人、まだまだ多い。
そうした「薬」の乱用の結果としての悲惨な事例、地方でもかなり生じているらしい。

インターネットで得られる情報と、現実の社会での経験値のアンバランスが、地方の女装者の場合、より危ない形で現れているように感じた。
もちろん、すべての地方の女装者が「危ない状況」にあるのではなく、個人差がおおいにあることは、承知の上でだが。

取材が一段落した後は、共通の趣味の着物の話題に。
こちらは、気楽なおしゃべり。

19時半、Iさんと分かれて、行きつけの居酒屋「一善」に寄る。
グラスビール、ウーロン茶、各1杯。
肴は、ぶりのお刺身、春ごぼうの煮物。

21時半、帰宅。

夕食は、鶏の塩焼き、しじみのお味噌汁を作る。
それに、パートナーが買ってきた生ウニ。
作り置きのモロヘイヤのお浸し。
ご飯、今夜も1膳で我慢。

お風呂に入り、髪を洗う。

この数日、連絡がなく、ちょっと心配していた友達からメールがあり、一安心。
「日記」とお返事メールを書く。

寝る前に、松井今朝子『吉原手引草』を読みだしてしまう。

就寝、5時。

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