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2005年10月17日 歌舞伎町の夜 [現代の性(性別越境・性別移行)]

2005年10月17日 歌舞伎町の夜
10月17日(水) 曇り

8時半、起床。
寝不足で眠い。
朝ご飯は、いつものように、トースト1枚、生ハム3枚、きゅうり&レタス。

午前中、講義。
仕事場に戻る途中の喫茶店で、校正ゲラを1パート分をチェックする。
これで2パート分をチェック、残りは4パート。

14時半、仕事場へ。
メールチェック、「日記」のアップ、お返事メールの送信。
15時半すぎから、1時間ほど、お昼寝。
少し元気になり、写真の整理を少々。

17時半、シャワーを浴びて身支度。
今夜は洋装。
黒のトップ、黒のベロベット風のタイトスカート、薄茶に黒の動物縞のジャケット。
黒と灰色の網タイツ、黒のショートブーツ。

19時過ぎ、家を出て新宿へ。
今夜は、何か用があるというわけではなく、どうもこの数日、心理的ストレスが溜まり気味だったので、その発散。
20時、新宿3丁目の女装スナック「びびあん」へ。
昔なじみの店だが、4月2日以来、約半年ぶり。
私が最初の客で、ママ(純女)とゆっくりおしゃべり。
考えてみると、私のことを「順子ちゃん」と呼んでくれるのは、もう、ここのママくらいになってしまった。
もっとも「50歳になって、〇〇ちゃんもないだろう」と言われればそれまでだが。

20時44分ころ、地震(震源は鹿島灘、M=6.3。茨城県鉾田市で震度5弱、東京は震度3)。
ずいぶん長い横揺れで、さつきママと二人、びっくり、どっきり。
地震をパズルにたとえると、周辺からピース(中規模地震)が埋まっていき、最後の中央の空白部(東京中心部)にドガンと大きなピース(直下型の大地震)が入るという感じになる。
ただし、それが明日なのか10年後なのかはわからない。

21時すぎに来店した「びびあん」の会員さんの女装の方2人も交え、4人で閉店までいろいろおしゃべり。

0時、「びびあん」を辞去して、久しぶりに夜の新宿の街をトコトコ歩く。
区役所通りは、呼び込みが法律で規制された影響で、人少なですごく寂れた感じ。
平日の水曜日とはいえ、0時前後という時間帯の区役所通りは、一昔前なら、終電車に乗ろうと新宿駅に急ぐ人と、電車で帰るのをあきらめてもう1軒飲みに行こうとする人、そして酔客を店に呼び込もうとするキャッチのお兄さんが狭い歩道で交錯し、私などはそれを縫うように車道に降りたり、また歩道に戻ったりして歩いたものだ。
あの頃は、それが当たり前の歌舞伎町の夜だった。

悪質なキャッチは困るが、こう徹底的に規制してしまっては、街がさびれる一方だ。
東京都(石原知事)は、どうも本気で歌舞伎町を潰す気らしい。
歌舞伎町を潰しても、そこに集まる男たちの欲望が潰せるわけでなく、周辺地域に拡散したり、地下(アンダーグラウンド)に潜ったり、余計、やっかいなことになるだけなのに。
歌舞伎町のような一定のエリアに囲い込んで、適度に規制を加えた特殊地域を作っておいた方が、お上としても管理しやすいと思うのだが。
ともかく、お城(都庁)のお膝下の「目障り」を掃除したいらしい。
勘ぐれば、歌舞伎町の歓楽街を潰して、その跡地に「都営カジノ」を作ろうというのだろうか。

以前、お手伝いしていた「風林会館」斜め前のニューハーフ・パブ「ミスティ」へ。
案の定、歌舞伎町の街と同様、店内も閑散。

エルママに「あれ~ぇ、どうしたの、珍しい格好で。そんな洋服まだ持ってたんだ」と言われる。
珍しがられるのも無理はない。
こんな格好で店に出たのは、たぶん4年ぶりくらいだろう。

男性客はだれも居ない無人のカウンター席に腰掛ける。
ボックス席に、なかなか美形のニューハーフさんと、それほどでもない初心者風の女装娘が座っていて、ママが話相手をしている。

ほとんど常勤ホステスのK美さん(純女)に「何? 面接?」と尋ねると、「そうみたいです。一人の方は2丁目の店に決まっているみたいですけど」という返事。
私は、てっきり美形のニューハーフさんが2丁目の店に入店が決まり、初心者風の娘が「この店に雇ってくれ」と面接を受けているのだと思った。
ところが、聞き耳を立てていると、どうやら逆・・・・。
ちょっと、びっくり。
まあ、ここの店に入る(可能性がある)のがニューハーフさんの方なら、上々だから良いのだけど。

ママが「踊りができないのなら、歌くらい唄えなくちゃ」と、まるで試験をするかように、就職が決まっている女装娘にマイクを渡す。
彼女、さんざん選曲に迷う(ほんとうは、もうそれで落第)。
やっと唄ったものの、私の評価はC(5段階で)。
まあ、お客さんとしてはまずまず(並)だけど、お客さんに聞かす側(プロ)としては合格点には達しない。

ママの評価も私と同じだったようで、首をかしげながらサッと選曲して次の曲を入れる。
歌上手のママが自分でお手本を示すのかと思ったら、「はい」とマイクを渡される。
心の準備ができていないし、唄うのは2カ月ぶり?
仕方なく、美川憲一「さそり座の女」を7割くらいの力で唄う。
ママとしては、私でプロとしての最低水準を示したかったのだろう。

長いこと、お店に出入りしていると、こういう、ホステス面接のような場に時々出合う。
面接者は、大きく分けて、今夜のニューハーフさんのようにある程度、経験がある即戦力になる娘と、今夜の初心者風の彼女のように新人(もしくはそれに近い)娘とに分けられる。

経験がある娘の場合、容姿や技量は水準に達していることが多いので、面接のポイントは、性格(協調性)と、どれだけ個人客をもっているかになる。
新人さんの場合は、将来性をみることになるが、容姿もだが、ポイントは頭の回転だろう。
顔は切ったり貼ったりすれば後からなんとかなる。
足りない知識や技術は後から勉強すればいい。
でも、頭の回転力は直しようがない。
頭の回転の程度は、おしゃべりしてみれば、すぐわかる。
しゃべりかたがモサモサしている娘や、身体の動きに切れがない娘は、概して頭の回転がトロいものだ。

ホステスさんの採用も、野球の新人ドラフトと同じで、10人採用して、そこそこの戦力になる娘が1人いればいいほう。
まして、店の看板になるような娘は、50人に1人、100人に1人だろう。
だから、ママにしてみたら、ホステスの採用には年がら年中、頭を悩ますことになる。

結局、お客らしい客が来ないまま閉店。
「まあ、こんな夜もあるわよ」とママ。

4時半、区役所通りをトコトコ新宿駅に向かう。
立待ちの日(月齢17)が西空に輝いている。

始発(4時42分)の山の手線、始発(5時00分)の東急東横線を乗り継いで帰宅。
昔、お店を手伝っていたころは、よくこのパターンで帰ったものだ。
最近は、着物のことが多く、加齢による体力低下もあって、タクシーで帰ることが多かったので、ほんとうに久しぶり。

5時半、仕事場に帰着。
身体は疲れたけども、精神的にはリラックスできた夜だった。
6時半、就寝(仕事場)。

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