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2009年03月09日 昭和初年の東北地方の遊廓 [性社会史研究(遊廓)]

2009年03月09日 昭和初年の東北地方の遊廓

他の記事のコメントで、山形市の遊廓のことが話題になったのがきっかっけで、東北地方の遊廓について簡単な調査をしてみた。

資料は、上村行彰著『日本遊里史』(1929年)所収の「日本全国遊廓一覧」で、指定地、貸座敷軒数、娼妓人数を抜き書きしてみる。
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【県別】 
山形県 25ヵ所 172軒 834人
福島県 27ヵ所 115軒 651人
宮城県 14ヵ所  60軒 632人
青森県 15ヵ所 147軒 460人
岩手県 18ヵ所  92軒 330人
秋田県 10ヵ所  74軒 263人

【指定地別ランキング(娼妓数50人以上)】

1 宮城県仙台市小田原             32軒 271人
2 山形県山形市(小姓町)           22軒 169人
3 山形県西田川郡鶴岡町            29軒 134人
4 山形県飽海郡酒田町             32軒 105人
5 青森県弘前市北横町             25軒 104人
6 青森県青森市大字長島(吉原)        22軒 95人
7 青森家三戸郡小中野村大字小中野(新地) 36軒 81人
8 秋田県山本郡能代港町新柳町        18軒 71人
9 福島県北会津郡町北村            10軒 68人
10 福島県西白河郡白河町            14軒 63人
11 福島県福島市(一本杉)           10軒 61人  
12 岩手県盛岡市八幡町             12軒 59人
13 秋田県秋田市保戸堂裏・鉄砲町(新地)  10軒 58人
14 山形県米沢市                 10軒 56人
15 福島県信夫郡瀬上町              7軒 52人

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まったく意外だったのは、県別集計で、山形県が貸座敷軒数、娼妓人数ともに、圧倒的にトップだったこと。

さらに、個別集計では、1位こそ(予想通り)宮城県仙台市の小田原遊郭だったが、2位(山形市)・3位(現:鶴岡市)・4位(現:酒田市)に山形県の遊廓が入っているのも、驚きだった。

貸座敷軒数や娼妓人数、つまり、遊廓の規模、盛況については、いろいろな要素が絡み、単純ではないが、やはり基本的にその地域の総体的な経済力を反映してとうに思う。

正直言って、現在の山形県、あるいは山形市のイメージから、この結果は予想できなかった。
(山形関係者の皆さん、ごめんなさい)。

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