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2011年10月22日  「東電女性社員殺人事件」の再審開始を! [現代の性(性犯罪・セクハラ)]

2011年10月22日  「東電女性社員殺人事件」の再審開始を!

10月22日(土)

1997年(平成9)3月19日に、東京都渋谷区円山町のアパート「喜寿荘」の1階空室で、東京電力東京本社に勤務する女性(当時39歳:杉並区永福在住)の絞殺遺体が発見された。

死亡推定時刻は3月8日夜から9日未明の間とされた。

そして、5月20日、警視庁は、不法滞在(オーバーステイ)のネパール人男性ゴビンダ・プラサド・マイナリを強盗殺人容疑で逮捕した。

マイナリ容疑者は、このアパートの隣のビルの4階に不法滞在のネパール人4名と住んでいて、被害者の女性が生前に売春した相手の一人だった。

捜査側は、犯人を特定する直接の証拠を得られず、検察側は状況証拠を複数積み上げることでマイナリ被告が犯人であると立証できるとして、東京地方裁判所に起訴した。

しかし、マイナリ容疑者は、逮捕直後から一貫して容疑を否認した。

2000年(平成12)4月14日、東京地方裁判所(大渕敏和裁判長)での第一審は、現場から第三者の体毛が発見されたことを「解明できない疑問点」として挙げ「第三者が犯行時に現場にいた可能性も否定できず、立証不十分」として、マイナリ被告に無罪判決を言い渡した。

検察側は、4月18日に控訴した。
(この間、無罪判決にもかかわらず、検察がマイナリ氏を再勾留するという問題が起こる)

2000年(平成12年)12月22日、東京高等裁判所(高木俊夫裁判長)の控訴審判決では、犯行直前に被告人が事件現場にいたこと(DNA鑑定により現場に残された使用済みコンドーム内の精 液と現場に残された体毛が被告と一致)と、事件直後に金を工面できたこと」などいくつかの状況証拠を理由に、マイナリ被告を有罪とし、無期懲役を言い渡した。

弁護側は、上告した。

2003年(平成15年)10月20日、最高裁判所は上告を棄却し、マイナリ被告の無期懲役の有罪判決が確定した。

マイナリ容疑者が犯人である直接的な証拠がなく、状況証拠の積み上げだけで、しかも容疑者は完全否認、裁判所の判断も1審無罪、2審逆転有罪と分かれ、現在なら、冤罪の可能性がもっと疑われてよい事件だった。

しかし、当時のマスメディアは、東京電力という日本を代表する大企業のエリート女性社員が、勤務後、夜毎のように渋谷円山町の路上に立って、売春を行っていたことに興味・関心が集中し、容疑者が冤罪である可能性については、あまり議論が高まらなかった。

この事件が起こった頃は、私がいちばん夜遊びをしていた頃で、事件、とりわけ被害女性の行動と心理に強い関心を持った。
早い話、他人事ではなかったのだ。

事件の細部が明らかになった後、ほぼ同じ時間に被害女性の行動をたどるように円山町を歩いてみたりした。

また、この事件を詳細に検証した佐野眞一『東電OL殺人事件』(新潮社、2000年)も精読した。

その結果、私なりに、マイナリ氏が犯人であるとする判決に釈然としないものを強く感じた。

当時、日本に数多く出稼ぎに来ていた南アジア系(インド、ネパール、バングラディシュなど)や西アジア系(イラン、トルコなど)の人は、男女共に来日している(むしろ女性が圧倒的に多い)東南アジア系(台湾、タイ、フィリピンなど)と違って、ほとんど男性だけが来日していた。

同国人の女性はいない、さりとて日本人女性にはなかなか相手にしてもらえないということで、彼等は一般にSexの機会に恵まれていなかった。

したがって、売春婦であっても、被害女性のように安い料金(5000円)でSexの相手をしてくれる存在は、極めて貴重だったはずだ。

そんな得難い存在を、果たして殺してしまうだろうか?

殺してしまえば、またSexの相手に不自由することになる、彼はそれがわかっていたはずだ。

もちろん、なにかのはずみで殺してしまったということは有り得る。
しかし、被害女性が持っていた4万円の金欲しさに、大事なSexの相手を殺してしまうだろうか?

私の心証は、否だった。

さらに、この事件には、解決されていないいくつかの重要な謎がある。

(1)現場から見つかった第三者の体毛は誰のものなのか?
(2)事件直前に現場近くで被害者とともに目撃された男性は誰なのか?
(3)マイナリ被告人が働いていた(千葉県)海浜幕張駅近くの料理店で22時の閉店まで働いた場合、殺害時刻とされる23時30分前後まで(京王井の頭線)神泉駅近くの現場にたどり着けるか。
着けたにしても、Sexをして上で殺害する時間は取れたのか?
(4)被害者の定期券が、3月12日、被告人が土地勘のない豊島区の民家の庭で発見されたのはなぜか?

控訴審が、上記の謎に一つとして答えることなく、有罪判決を下したのは「疑わしきは被告人の利益に」という原則を踏みにじったものと感じた。

収監されたマイナリ受刑者は、2005年(平成17)3月24日、獄中から東京高裁に再審を請求した。

そして、今年になって、新たなDNA鑑定の結果が次々に明らかになり、それらはマイナリ受刑者(血液型B型)以外の第三の男(X男:血液型0型)の存在を示唆するものばかりだった。

殺害現場の部屋の床に残されていた体毛     X男
女性の膣内から採取された精 液          X男 (新証拠)
被害女性の右胸部周辺から検出された唾液   X男 (新証拠)
被害女性の陰部から検出された付着物      X男 (新証拠)
被害女性の肛門周辺から検出された付着物   X男 (新証拠)

トイレの便器に浮かんでいた        マイナリ受刑者
コンドームから採取された精 液(遺留時期をめぐり議論あり)    
殺害現場の部屋の床に残されていた体毛   マイナリ受刑者

少なくとも「犯行直前に事件現場にいた可能性があるのはマイナリ受刑者だけ」という検察・高裁の主張は、客観的証拠によって崩れたと思われる。

それでも、女性が殺害される直前に最後に性交した男性は、ゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者しか有り得ない(だから犯人である)と、検察や裁判所は主張し続ける。

こんな非論理的なことは許されるべきではない。
速やかに再審を開始すべきだと思う。

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