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2005年12月25日 女装男娼のお値段 [性社会史研究(女装男娼)]

2005年12月25日 女装男娼のお値段

12月25日(日) 晴れ 寒い
(前略)

お風呂に入った後、明日の講義の準備。

寝る前に、また資料読み(主に男娼関係)。

1948~49年ころの、東京上野の女装男娼のお値段(ショート)は200円が相場(実態上の公定値段)であることがわかった。

まだ食料品の統制が残っていたり、インフレーションが進行していた時代で、物価の比較が難しいのだが・・・・。
山の手線初乗り3→5円、郵便封書5→8円、入浴料10円、そば15円、映画館40円、化粧石鹸9円50銭、粉おしろい(1缶)500円、日雇い労働者の日当242円、小学校教員の初任給2000→3991円、公務員(国家公務員上級)の初任給4863円といった感じ。
バラツキが大きく換算が難しいが、だいたい40倍といったところか。

となると、当時の200円は、現在の8000円といった感じ。
ちょっと安い気がするが、1回お仕事すれば、そばが13杯食べられ、お風呂に20回入れるというのは、生活実感としてはかなり良い稼ぎなのではないだろうか。

おもしろいのは、同じ肉体労働である日雇い労働者の日当とほぼ同額であること。
しかし、日雇い労働者は1日で2日分働くことは不可能だが、売れっ妓の男娼はうまくいけば1晩で2人、3人と客が取れる。
もし毎晩、コンスタントにお客があれば(なかなかそうはいかないのだが)、若手の国家公務員(上級)の月給を上回ることになる。

ちなみに、泊まりは500~600円(自宅の場合、旅館利用の場合は宿代別)だったらしい。

日平均1人ショートの客を取り、月の3分の1泊まりの客を取れれば、月収は10000円を越える。
東京都知事の月給が30000円の時代だから、馬鹿にできない額だ。

どうも男娼というと、うらぶれた貧しいイメージを持ってしまうが、戦災から日本が立ち直ってない当時の状況においては、売れっ妓の男娼はかなり稼ぎが良かったことになる。
(もちろん、売れない男娼の生活は貧しいのだが)
男娼稼ぎで資金を貯めて、店(飲み屋)を持った人がけっこういたのも十分に理解できる。
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